天蓋とは?日傘と傘蓋・天蓋の周囲を飾る吊りものについて

天蓋とは?

天蓋は大きさと重量があり、御内陣の様子を大きく変えられるほど強い印象を与えられるものです。改めて天蓋とは何かを学び、美しい天蓋の新調・修繕の参考となるよう、様々な仕上げ方法や種類について見ていきましょう。あわせて瓔珞や幢幡といった吊りものについてもご参考になれば幸いです。

天蓋とは?

天蓋とは、仏像や礼盤上に座す人物の頭上にかざす笠状の荘厳具です。箱型・傘型・華型・丸形など様々な種類があり、元となったのはインドの日傘であると言われています。仏教発祥の地であるインドは日差しが大変強く、多くの貴人が従者に日傘を差しかけられていたそうです。高貴な人物ほど豪華なつくりの日傘を使用しており、それはまさに権威の象徴であったとされています。そのため傘蓋の下には貴人がいるとされており、その傘蓋を仏教にも流用したのが天蓋のはじまりです。

歩行時には長柄の天蓋が用いられており、法要などで僧侶に差す番傘も天蓋の一種であるとされています。続いて、二つの天蓋の名称を確認していきましょう。

・人天蓋(にんてんがい)
導師・住職の座する上にかざす天蓋
・仏天蓋(ぶってんがい)
仏像の上にかざす天蓋

仏天蓋としては、法隆寺 金堂に安置された釈迦三尊・阿弥陀仏の天蓋が有名です。金堂は一度焼失した過去があります。しかしその後再建された天蓋には、およそ100年前の木材が使用されたといわれているのです。また古い天蓋には蓮華がかたどられたものが多く、教王護国寺(東寺)に安置されており「お不動さん」の名で親しまれている不動明王座像と、かざされた天蓋はあわせて国宝となっています。

天蓋に込められた意味

天蓋は荘厳のための仏具です。尊き者を守るための蓋であり、天蓋が絢爛であればあるほどそこに居られる仏が偉大であることを示しています。天蓋に金箔が貼られ華やかに装飾されているのには、このような理由が関係しているのかもしれません。

また天は蓋のように地上を覆っているとされる説もあるようです。天蓋自体が仏の徳が現れ出たものという見方をされます。つまり、天蓋(徳)を見た者がまた徳をつみ、仏のように天蓋を差しかけてもらえるような人物になれるようにとの意味も込められているのです。

天蓋の種類

天蓋はその多くが天井から吊るす形式となっており、材質としては主に金属・木が使用されています。木製のものに漆を塗り、金箔を押した漆箔仕上げや、美しく豊かな彩色仕上げ、そして様々な彫刻や装飾が施されたものが多く、見た目も華やかです。

形状は正方形・六角形・八角形・円形などがあり、これらを組み合わせた天蓋もあります。有名なのは、平等院鳳凰堂のご本尊である阿弥陀如来坐像です。仏師である定朝が作った唯一現存する仏像であり、寄木造りの技法が使用されています。阿弥陀如来坐像にかざされた天蓋は正方形の方蓋と円形の円蓋を組み合わせて構成されており、枠組みに使用された漆には琥珀・金・銀・孔雀石が含まれ豪華なものとなっているそうです。

天蓋の周囲を飾る仏具

瓔珞(ようらく)

瓔珞とは仏様の首や胸などにつける装身具であり、天蓋にも用いられている荘厳具です。宗派によっても異なり、隅瓔珞・輪灯瓔珞・輪灯などの種類があります。

材質は真鍮・銅・木などで作成されていることが多く、金色の装飾は大変美しいものです。蓮の花をモチーフにしたものや宝石を編み込んだ絢爛なものまであるため、経年で色あせてしまうと全体の雰囲気も暗くなってしまいます。特に、アルミ製の瓔珞は注意が必要です。手入れを行うにしても細かいパーツに分解しなければならないため、取り外しから修繕、取り付けまでをご自身で行うのはなかなか難しくもあります。

幢幡(どうばん)

「幢」は儀式や軍隊の式の際に使用していた旗の一種のことで、仏教には仏様がおられる印として流用されました。「幡」は、仏様の威厳などを示すための仏具である飾り布を指しています。幢幡とは、この二つを竿柱で一つにし、天井から吊るした荘厳具です。

幢幡は天蓋の両脇を彩り、仏様の徳を表す目印として美しい帛をたれ下げています。布製で彩られたものだけではなく、木製で六角・八角など立体的に作られた豪華なものもあり、天蓋で仏さまの居場所を知らせ、瓔珞や幢幡でそのすばらしさを示す大変美しいものです。

まとめ

天蓋は徳そのものとも考えられており、天蓋のもとに居られる仏様が偉大であることを表しています。傘蓋の下には高貴な人物がいるとされたことから流用された、仏像や導師の上にかざされる荘厳具です。

また天蓋・瓔珞・幢幡などの仏具に金色が多いのは、変色しない、つまり仏様の教えと同様に変化しないという意味が込められているとされています。「清和佛具株式会社」では、変わらぬ教えと天蓋、吊りものの美しさを保つ修繕・新調も可能です。清和佛具株式会社では天蓋の取り外しから取り付けまで出来うる限り対応致しますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。