仏像の修理とは、新品のような美しさ・歴史の風合いを保つ仕上げ技術

仏像の修理

これまで先人たちとともに仏像と歴史を大切に守ってこられた方にとって、仏像の修理には少なからず不安があるのではないでしょうか。仏像の修理にどのような種類があり、そしてどのような技法があるのかを知っていただき、仏像を修理に預ける際の悩みが少しでも晴れますようご紹介してまいります。

仏像の修理とは

寺院で古くから大切にされてきた仏像は年月とともに風合いを増し、美術的、そして歴史的な価値を持つものが多くあります。現在安置されているものの中にも、表立ってはいない大きな価値を持つ仏像が隠れているかもしれません。それほどに仏像の歴史は古く、これまで多くの先人たちに守られ、たくさんの人々がお参りしてきた思いが込められているのです。仏像を修理するということは、その人々の思いも大切にすることへと繋がります。

仏像を修理するタイミング

欠けてしまっていたり、傷みが目に見えたりしている場合は修理が必要なことが分かりますが、歴史のある仏像ですと見た目ではわからない問題を抱えている可能性も考えられます。それらは日々の手入れだけでは気づけず移動などの際に発覚することもあり、仏像本体だけでなく台座や光背にも注意が必要です。そして大切なのは、修理が可能であるうちに対処することであると言えます。

新品の美しい仏像とともに新しい歴史を紡いでいくのももちろん素敵なことですが、そのために古きを知り、新しきを知るということも大切です。今一度、仏像とともに人々が込めてきた思いと向き合い、歴史のある仏像の修理・修繕を検討されるのはいかがでしょうか。

仏像の主な修理方法

仏像修理の方法は、おおまかに2種類あります。

新調仕上げ

新調仕上げとは、製作された当時の姿を復元して新品同様に仕上げる技法です。金箔を貼り直して本来の輝きを取り戻すだけでなく、正しい彩色仕上げを行うことで木を適切に保護し、ここからまた新たな歴史を刻んでいくこととなります。

古式仕上げ

古式仕上げとは、製作された当時の姿形はそのままに、重ねてきた年月による自然な風合いをもたせたまま修理を行う技法です。新調仕上げとは逆に、人の手によって仏像に時間の経過を表現します。味わい深さが出るのはもちろんですが、置く場所の雰囲気などと合わせることも可能です。

新調仕上げや古式仕上げのように全体の修理だけでなく、傷ついてしまった手だけ・割れてしまった台座だけといった細やかな修理が必要となる場合もあります。仏像の修理を行う際には、臨機応変な対応が求められるのです。

仏像にあわせた仕上げ方法

仏像の修理には、それぞれの時代や仏像の材質にあわせた適切な技法があります。如来・菩薩・観音・明王などに関係なく、必要な技術や仕上げ方法は多種に及ぶのです。

・漆箔仕上げ
下地の上に漆を塗り、金箔を貼り付ける仕上げ方法です。一部の平安時代を除き、ほとんどの仏像が漆箔または彩色仕上げとなっています。

・淡彩色仕上げ
木の温かみを残しながら淡く彩色し、明るい印象を与えることができる仕上げ方法です。

・極彩色仕上げ
岩絵の具を使用し、下地から層をしっかりと塗り重ねて仕上げます。岩の絵具は通常の塗料とは異なり、同じ色であっても深みが出るため、その鮮やかさにははっとするでしょう。

・木地仕上げ
仏像が製作された当時の木目を損なうことなく、木のなめらかな素材や温かみを大切に仕上げます。木の艶や香りもよみがえり、重厚感のある仕上げ方法です。木曽檜や樟など、木の特徴にあわせて仕上げを行います。

・漆(うるみ)仕上げ
賓頭盧(びんずる)尊者のように漆を塗り上げて乾燥させ研ぐことを繰り返し、時間を掛けながら漆の日本的な美しさを引き出す仕上げ方法です。

他にも、仏像をより美しく厳かにするため古くより日本で発達した切金細工という伝統的な技法もあります。金箔やプラチナ箔などを重ねて切り、文様を描く技術です。ご紹介しました方法以外にも、仏像をどのように守りたいのか、どのような修理を行いたいのかのご希望をしっかりご相談いただけますと幸いです。

まとめ

仏像を修理するということは、仏像を守り続けてきた先人たちやお参りをしてこられた人々の思いに応えるという意味合いも持っています。手つかずのまま安置されていたり、傷んでしまっている仏像がある場合は、まだ修理が可能なうちに対処することが望ましいです。それぞれの仏像と向き合い、一つ一つの寺院にあった修理方法をご相談いただければと思います。

仏像の修理に関してご不明点やご要望がありましたら、「清和佛具株式会社」までお気軽にお問合せください。仏像だけでなく、様々な仏具や掛け軸など幅広い修理・修繕のご用命をお受けしております。

多数の仏具修繕事例もご紹介しておりますので、ご不安な点がある場合にはそちらも参考にされてください。これから先も長きに渡って仏像をお守りしていくことをお手伝いいたします。